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IoTで美酒熟成 ロームなど開発、発酵温度をシステム管理

温度を測るセンサーで酒造りを管理している齊藤酒造の酒蔵(京都市伏見区)
温度を測るセンサーで酒造りを管理している齊藤酒造の酒蔵(京都市伏見区)

 京都・伏見の酒造会社2社で、あらゆる機器をインターネットにつなげる「IoT」の技術を活用した酒造りの実証実験が進められている。電子機器メーカーのラトックシステム(大阪市)とロームが、酒造りに特化した温度管理システムを業界で初めて開発。職人の経験や勘に頼ってきた作業を効率化しようとしている。

 システムは、ラトック社がロームの無線通信部品を用いて開発した。センサーで測った温度をパソコンの日誌ソフトに送信し、グラフ化したり、あらかじめ設定した温度に達するとスマートフォンに通知したりできる。温度データを発酵の熟度を示す数値と比較することもできる。

 齊藤酒造(京都市伏見区)では、2月から発酵タンク4基にシステムを試験導入し、内部の温度を1時間に1回計測。1カ月近い発酵期間中に温度が上がりすぎないよう、監視するのに役立てた。

 同社は、杜氏(とうじ)ら酒造り職人の高齢化を受け、昨年から自社の正社員による生産に取り組んでいる。齊藤透社長は「社員では昔のような泊まり込みによる番もしにくい。今回は、自宅で数値を確認できるので、休日出勤が減るなど負担軽減が期待できる」と話した。

 招徳酒造(同)も今月上旬、甘酒のこうじづくりの工程にシステムを取り入れた。同社は数年前から市販の温度センサーを活用するなどIT化を進めており、「使い勝手が良く、コストが見合えば本格導入したい」(製造部)としている。

 ラトック社は18日から、酒造会社向け業務ソフト大手のハートコンピューター(長浜市)を通じてシステムを販売する。価格はセンサーと通信部品など一式セットで5万円。ソフト使用契約料は毎月7千円。初年度は50社の採用を目指す。

 ラトック社開発部は「今後は人工知能(AI)を使った出来高予測機能なども追加し、酒造りの熟練の技を次世代に継承するのに貢献したい」としている。

【 2017年05月16日 22時30分 】

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