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台風と解散風

 九州から四国、本州、北海道と台風18号が縦断した。京都府北部に短時間大雨情報が出て浸水被害もあった。折から安倍晋三首相が衆院解散の意向を固める「解散風」も伝わり列島を席巻した▼1934(昭和9)年9月21日、室戸台風が京阪神地方を直撃した。四国上陸時の台風の規模は911・6ミリバール(現在はヘクトパスカル)だったという。甚大な被害をもたらした最強クラスの台風だ▼京都市には午前8時半ごろに接近した。瞬間風速は42メートル以上あり、上京区の西陣小(西陣中央小に統合)では2階建て木造校舎が突然、倒壊した。気象情報も不備な時代である▼500人以上が教室の下敷きになり、41人の幼い命が失われた。建設中だった鉄筋コンクリートの新しい校舎に避難しようとした間際の被災だった。市内ではその後、鉄筋への建て替えが進んだ▼昭和30年代は大きな台風がよく襲来した。強風こそ要警戒で、屋根瓦が飛ばされた記憶が残る。前日には板張りの雨戸を閉め、外側から筋交いの要領で材木を打ち付けたものだ▼目下の解散風は、日に日に現実味を増してきた。選挙を知り抜いたベテラン組はともかく、新人にはお気の毒というほかない。頼みの風を読もうにも、手掛かりはそうない。選挙準備から本番の投開票日まで、残された時間は少ない。

[京都新聞 2017年09月21日掲載]

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