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二層タイプで味の変化楽しく

パウンド生地にシナモン
生地が次第にリンゴのジュースを吹い、しっとりする。残ったら全体にラップで覆って型に収め、冷蔵庫へ。3、4日で食べよう
 今回は実りの秋が楽しめるリンゴのパウンドケーキ。生地にリンゴを混ぜ込む作り方が主流だが、西原金蔵さんはジューシーに仕上げたカラメル味のリンゴと、シナモンを効かせたパウンドケーキで二層タイプを提案する。「多くはリンゴにシナモンを合わせますが、今回はパウンド生地にシナモンを入れたので、味の変化が楽しめますよ」。そのまま食べてもおいしいが、軽くコショウを振ったり、アイスクリームを添えてもいい。
 手順はリンゴを調理した後、パウンドケーキ生地を作り、リンゴの上に生地を流し込んでオーブンで焼く。手早く作業するために、西原さんがお勧めするのがレンジでリンゴに火を通す方法だ。「熱がガスより早く、平均に入ります」。皮をむき、1/4の大きさに切ったリンゴをビニール袋に入れる。袋の端はしばらず、空気が入る感じに軽く折り曲げよう。「全体に火が通るようターンテーブルに広げるように置いてください」。600ワットで10分たてば、リンゴはしんなり。便利な調理法だ。
 リンゴは、カラメル仕立てのグラニュー糖で煮て味を付ける。気をつけたいのがカラメル作りで「グラニュー糖の全量でカラメルを作ると、失敗した時などに調整が難しいため、先に1/4量で少し苦めのカラメルを作ってください。にがみと色の目安はプリンです」。カラメルができたら、残りの砂糖とリンゴを加え、リンゴの煮汁で砂糖を溶かす。リンゴが煮くずれてしまうので、木べらで混ぜるのはぐっとこらえよう。
 パウンド生地は西原さんが「失敗なく簡単にできるのでお薦め」というフードプロセッサーを使った。所定時間以上に混ぜると、生地が分離してしまうので気をつけよう。フードプロセッサーのない場合▽室温に戻したバターと砂糖をボウルに入れ、泡立て器でクリーム状にかくはんする▽卵を5、6回に分けて加え混ぜる▽クリーム状になったら粉類を一気に加え、全体にさっくりと合わせる-の手順で作ろう。
=おわり

レシピ【映像はこちら

ふつふつと煮ながら水分をほぼなくなるまで飛ばす
 【材料 直径21センチのマンケ型1台分】リンゴ5個(正味850〜900グラム分)、グラニュー糖95グラム、無塩バター40グラム、(パウンド生地)粉砂糖75グラム、全卵75グラム、薄力粉75グラム、無塩バター75グラム、ベーキングパウダー小さじ1.5(4グラム)、シナモンパウダー小さじ3.5(4グラム)、塩ひとつまみ、バニラシュガーひとつまみ、リンゴジャム適宜。
 【作り方】
 (1)バターはいずれも1センチ角に切り、室温に戻す。パウンド生地用の粉砂糖、薄力粉、ベーキングパウダー、シナモンパウダー、塩、バニラシュガーを一緒にして2度ふるっておく。
 (2)リンゴの上下のくぼみの部分を下、上の順にくりぬき、皮をむく。種を取り除いた後に1/4に切る。ビニール袋に入れ、袋の端を軽く折り曲げ、電子レンジ600ワット約10分火を通す。
 (3)鍋にグラニュー糖約1/4量を先に入れ、中火にかける。色が少しついてきたら木べらで混ぜる。気泡が現れたら火を止め、残りの砂糖と(2)を加え、中火にかける。砂糖がリンゴの煮汁で溶けるまでそのまま触らずに煮る。溶けたら木べらで全体を混ぜ、ふつふつと煮ながら水分をほぼなくなるまで飛ばす=写真。
 (4)マンケ型にバターを全体に塗り、(3)を均等に敷き詰め、木べらなどで軽く押して全体をならす。粗熱が取れるまで、室温で1時間置く。
 (5)パウンド生地を作る。フードプロセッサーに、ふるった(1)とバターを入れ、約15秒かくはんする。溶きほぐした卵を1/3量を加えて約5秒かくはんする作業を計3度繰り返す。ゴムべらで全体を混ぜ合わせる。
 (6)(4)に(5)を流し入れる。中央部分を少しくぼませながら均一に広げる。
 (7)170度に温めておいたオーブンで約40〜50分かけて焼く。常温になるまで冷めたら、表面をラップで覆い、型ごと冷蔵庫で12時間以上冷やす。
 (8)型から取りだし、温めたリンゴジャムを表面全体に塗り、できあがり。

ワンポイント

マンケ型は型から生地を取り出しやすい。「取り出す際、周囲にパレットナイフを入れ、型底を少し温め、バットでふたをし、45度に傾けて少しずつ下へたたくようにしてください」
<ワンポイント>
 リンゴは煮くずれしにくいフジがお薦め。紅玉、津軽と続きます。もぎたてのリンゴは味や香りもみずみずしい。一方、収穫されて保存されていたリンゴは水分が抜け香りも弱いですが、凝縮された味です。季節や種類に応じて違いを楽しんでください。仕上げのジャムはペクチンの利用が狙いで美しく仕上がります。
<作ってみました>
レンジでリンゴに火を通す際、ビニールの袋の端を下に折り曲げてしまい、リンゴジュースが外に出てしまった。ご注意を。
(2010年9月30日京都新聞夕刊掲載)

注意

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