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山で芽生えた 親子の連帯感

(23・完)父と息子の二人旅
絵・小山田徹
 旅から旅の放浪生活にあこがれてる銀猫です。
 相棒のコヤマダ氏は先日、5歳の息子と2人だけの青森旅行に1週間行っていた。
 「銀猫君、少年は山を登るのだ!」
 何を唐突にわけの分からないことを…。
 「あのね、息子の今回の旅行のテーマだったのよ。八甲田山に登山することにしてたんだけどね、旅行前から息子は妄想が広がってたみたいでさ、自分を鼓舞するように『少年は山に登るのだ!』が口癖になってたのよ」
 ホホー、自分のことを少年だと認識したのかね。少年、冒険、山登り、父と一緒。ウーム、興奮が伝わるね。で、登山達成したの?
 「うん、今回初めての二人旅でね、道中ケンカしたり泣いたりしたんだけどね、秋晴れの山を登ってくうちにさ『オレたちは山を登るのだ!』って連帯感が芽生えて、お互いパートナーみたいな感覚ができたのよ。息子は甘えることなく歩ききって無事登頂。父親としてちょっと感涙モノだったなー」
 それじゃ旅から帰って来て少しお兄ちゃんになったのかな?
 「それがね、お母ちゃんの顔を見た途端、甘えん坊に逆戻り…」
 ハハー、まだ5歳だもんね。でも心のどこかに達成感が記憶されてると思うよ。いい仕事したね相棒よ…。ウフフほめちゃった…。まーいいか、連載最後だものね。
 さて、猫と人との珍問答集、長々とお付き合いありがとうございました。早いもので今回が最終回。またいつの日かどこかで会いましょう。=おわり

【2008年9月29日掲載】