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天然素材にこだわり

花千佳代表取締役 村田尚美さん
花千佳代表取締役 村田尚美さん
花千佳代表取締役 村田尚美さん

 商品の化粧水やせっけんの成分表示を見ると、どれも身近な自然由来の素材が書かれている。つばき油、ハチミツ、天然水、コメ粉-。オーガニックにこだわった化粧品の製造から販売までを、ほぼ1人で手掛けている。「化粧品はお肌の食べ物。毎日使うからこそ、天然のものから作りたい。自然の力で心身を整え、女性たちが癒やされてほしい」と思いを語る。

 大学卒業後、宝酒造に就職。東京勤務時に「オーガニックみりん」の販促に関わり、有機食品の認証を行う「オーガニック検査員」に興味を持った。「検査員は消費者の代表。6年ほど悩んだけれど、やりたい気持ちが消えなくて」。検査員に転職後、各企業の有機食品のチェックを手掛けた。

 体の異変を感じたのは2008年ごろ。ストレスや不規則な生活で肌荒れがひどくなった。ところが、洗顔せっけんを試すとすっかり治った。そこからせっけんに凝り始めたが、「天然素材だけで作った化粧品があまり出回っていないと気づいた」。自分で材料を集め、せっけんや化粧品を手作りするのが楽しくなった。

 次第に「合成添加物のないせっけんや化粧品を望んでいる人がもっといるのでは」と思い始めた。「採算を取るのは大変かもしれない。でも、究極のオーガニック化粧品があってもいい」。地元の宇治市に戻り、工房を立ち上げた。

 国産の原材料を求め、生産者に会いに現地を訪ねる。商品のフレッシュさにこだわるため、化粧品にはあえて使用期限を表示している。商品開発からパッケージデザイン、営業、百貨店の特設コーナーでの接客、海外の顧客とのやりとりまで、一人何役もこなす。「24時間フレックス。休みって何だっけという感じ」といいながらも、「作ることが好き」と屈託がない。

 目標は宇治市の工房に店舗を併設すること。「女性が心地よくいられれば、きっと世の中はハッピーに回ると思う。気分転換に立ち寄れるような店舗をつくりたい」と夢を描く。

むらた・なおみ 神戸大卒。宝酒造に入り、販売促進や営業の仕事を担当した後、オーガニック検査員に転身して食品の判定や認証を手掛けた。2013年に花千佳を創業。京都女性起業家賞の受賞歴も。宇治市出身。46歳。

【2017年11月12日掲載】