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移動サロン、犬第一に

薫風舎代表取締役  斎藤裕子さん
薫風舎代表取締役  斎藤裕子さん
薫風舎代表取締役  斎藤裕子さん

 個人宅に出張し、飼い犬の身だしなみを整える移動式サロンを昨秋始めた。自身や犬の高齢などが理由でペットサロンに通うのが難しい飼い主の依頼を受け、専用の設備をそろえた車でシャンプーやトリミングを行う。「こういうサービスを探していたと喜ばれる」と手応えを語る。

 京都市中京区の自宅兼事務所で、外出や旅行で家を空ける飼い主から犬を預かる宿泊サービスも手がける。夜に眠るまではケージに入れず、12畳の居室で自由に遊ばせ、散歩も朝夕2回連れて行く。犬の様子を撮影して飼い主の携帯電話に送る気遣いも欠かさない。犬と寝食をともにする毎日にも「飼い主から『家にいる時よりも楽しそう』といわれるとうれしい」と充実感をにじませる。

 バラエティーに富んだ職歴の持ち主だ。大学を卒業した約30年前、当時まだ珍しかった女性の報道カメラマンを目指したが、夢かなわず、経済紙の記者に。1年余り後、マスコミ業界の知人の誘いを受け、海外で撮影された報道写真を電送などを手がける会社の立ち上げに加わった。

 その後も外資系の損害保険会社などを経て、通販大手ニッセン(南区)に入社。保険商品を電話で販売する事業やマーケティングなどに携わった。

 起業のきっかけは、同社が2015年夏に経営再建のため早期退職を募ったことだった。夏休みを実家で過ごしていた時に社内メールで知らされ、「自分も対象だ」と思い込み、独立のプランを練った。自らがトイプードルを飼っていたことから、移動式サロンの事業を思いついた。

 後にリストラの対象外と知るが、「60歳で何かを始めるのは難しい。今ならできる」と決断。準備期間を経て昨年5月に会社を立ち上げた。

 京都を訪れる観光客から愛犬を預かるサービスなど、新たなアイデアもある。「事業が軌道に乗るのはこれからだけど、コンセプトは間違っていない」と前を見据えた。

さいとう・ひろこ 広島大卒。新聞記者や外資系損保、ニッセンなどを経て、昨年5月に会社を設立。自らの誕生日と設立月が同じであるため、社名を「薫風舎」とした。京都府が主催する今年の京都女性起業家賞で日本政策金融公庫グッドプラン賞を受賞した。52歳

【2017年09月17日掲載】