京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > Myウェイ Myライフ
インデックス

笑顔生む服飾に情熱

kokoperi(ココペリ)代表  村田 邦子さん
kokoperi代表  村田 邦子さん
kokoperi代表  村田 邦子さん

 黒い体に目玉がぎょろり。口もぱっくり開く。タオル地でつくられたビワコオオナマズのよだれかけ「ビーナズくん」だ。ほかにも、ひよこやカエル、イヌなどの顔をかたどったよだれかけをつくり、イベントなどで販売している。「子育ては大変。子どもが泣いてイラッとしても、このよだれかけを見たらププッと笑え、怒りも忘れちゃう」。起業の原点となった商品を前に2児の母の顔に戻る。

 左官や和洋裁などの職人一家に生まれ、「必要なものは自分でつくる」とたたき込まれて育った。子どもが生まれ、ベビー服を探したが、着せたい服がなく、趣味を生かして自作した。よだれかけはその中で誕生。長女と長男に同じ布でおそろいのスカートとズボンをつくるなど創作が進むと、周囲から「欲しい」と言われることも増えた。「いつか仕事にできれば」と思ったが、育児と家事に追われ起業には踏み切れずにいた。

 転機は2011年。免疫疾患の難病「全身エリテマトーデス」を発症した。投薬で一時的に症状は抑えられるが、完治はしない。入院を繰り返し、死も覚悟する中で、「『いつか』は『いつか』でしかない」と腹を固めた。長男の小学校入学を期に友人などから注文を受け始め、よだれかけや子ども服、アクセサリーなどを手掛けてきた。

 現在の主力商品は、ギニアやセネガルから取り寄せたろうけつ染めの布でつくる大人用スカートだ。学生時代に留学した米国でアフリカンダンスを学び、色鮮やかな現地の布に魅了された。色や柄のパターンが無数で同じ布には二度と出会えないといい、「人と違うものが欲しい私のような人にぴったり」と笑う。

 本業の傍ら、大津市が昨年実施した女性起業家経営スクール1期生として、女性の起業を後押しする活動にも取り組む。「思い切って好きなことを仕事にすれば、生き生きとにこやかに過ごせ、家庭円満にもつながる」。一歩を踏み出せない女性に向け、エールを送る。

むらた・くにこ 三重県津市(旧芸濃町)出身。京都精華大卒。2005年、長女の出産を機に飲食店パートの仕事をやめ、2016年に個人ブランド「kokoperi」を起業した。大津市在住。38歳。

【2017年07月23日掲載】