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滋賀のエコツーリズム

人口減見据えた観光議論

 

滋賀のエコツーリズムの将来について意見を交わしたシンポジウム(大津市柳が崎・びわこ大津館)
滋賀のエコツーリズムの将来について意見を交わしたシンポジウム(大津市柳が崎・びわこ大津館)

 持続可能な旅行の普及を目指す「エコツーリズム協会しが」がこのほど、滋賀の観光の魅力や現状を話し合うシンポジウムを大津市内で開いた。昨年から県内各地の観光関係者らと意見交換を重ねてきたリレーサミットの総括と位置付け、人口減少を見据えた観光の在り方などを議題に思いを語り合った。

 同協会は日本遺産認定や琵琶湖保全再生法の施行を契機に、昨年7月から計3回のリレーサミットを開催。地域づくり団体や観光協会、旅行業者や商工会の関係者らが集まり、取り組みや課題の共有などを行ってきた。

 7月9日に開いた総括シンポでは、滋賀大教授の北村裕明会長が冒頭に講演した。都市部の旅行社が提供する「マスツーリズム」が過度の観光開発による環境破壊などをもたらしたことを教訓に、地域の固有資源を保護、活用し、地域経済への波及効果も目指す「エコツーリズム」が注目されてきた経緯を説明。滋賀のエコツーリズムに求められるものとして、琵琶湖の価値を再発見するツアーの開発や普及、農家民泊など受け入れ体制の整備やガイドの育成などを挙げた。

 その後意見交換会を行い、パネリスト6人が登壇。理事の川戸良幸・琵琶湖汽船社長は、人口減少が加速することを踏まえ、「2030年ぐらいに寺や神社、もてなしてくれる人が残っているか。今のままどう発展するかを考え過ぎると、大きな課題につながるのではないか」と問題を提起した。

 観光客や受け入れ側がともに縮小する時代を見据え、ウッディパル余呉(長浜市)を運営する「ロハス長浜」の前川和彦統括マネージャーは、働き手ともなる移住者の個性にあった住民を引き合わせることで定着しやすいように意識している現状を紹介。外国人の個人ガイドに携わる「悠ツアー」の森聖太代表は欧米並みにガイドの社会的地位や収入の向上が求められると指摘した。

 地元米を使った酒を通じて地域振興に取り組む「喜多酒造」の喜多良道社長は、人口減で経済規模も縮小するとし、「従来の価格競争ではない質での競争をしなければみんなが生き残れない」と強調。日本人に愛された日本酒の輸出が伸びていることを例に挙げ、「わが街を見いだす内なる観光の循環が外へ出て行く」と県民による県内観光も重要だと訴えた。

【2017年07月23日掲載】