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湖国産にこだわった日用品

素材・色合い、県外で好評
滋賀で作られたオリジナル商品を展開する「暮らしラボ」の中村さん(守山市新庄町)
滋賀で作られたオリジナル商品を展開する「暮らしラボ」の中村さん(守山市新庄町)

 守山市の日用品の製造販売業者が滋賀県内の会社や個人と協力して、湖国ならではの花や自然をあしらった商品を作っている。日常生活で使うかばんや小物入れを高島帆布で作り、県外の手作り市や物産店などで販売。「商品ができる工程を全て県内で行い、メード・イン・滋賀の魅力を発信したい」と意気込む。

 守山市新庄町の「暮らしラボ」。同町の中村拓郎さん(32)が「地場産業を生かした土産を新たに作りたい」と出版社を退職し、2014年1月に開業。1年半後に加わった大学時代の友人の久保陽平さん(32)と共同で運営している。

 トートバッグやハンカチなど8商品を販売し、うち7商品は高島帆布を使っている。綿を厚織りにしているため、他の布よりも分厚く丈夫だが、軽いのが特徴。中村さんは「生活で使い続けてもらえる素材を選んで商品化した」と話す。

 当初はデザインから加工、染色、縫製までの作業を暮らしラボで行ってきたが物作りを通じて滋賀の魅力を知ってもらおうと、16年4月から各社と連携。デザインは草津市のデザイナー畑山沙緒さん(27)に依頼し、県花のシャクナゲや湖岸に群生するハマヒルガオ、琵琶湖に浮かぶヨット・水鳥をイメージして、女性に手にとってもらいやすい鮮やかな柄や温かみのある色合いにした。

 産業用資材織物の製造販売をする「駒田織布」(高島市新旭町太田)が高島帆布を作っており、カバンなど持ち運びしても傷みにくいよう丈夫にするが、柔らかく家庭用ミシンでも加工しやすくしている。染色は、豊郷町安食西の染物会社「双葉工芸」の職人が生地に色を刷り込んでいく「手捺染(なっせん)」で帆布を染める。多いときで約20色を使うが、一色ずつ丁寧に仕上げる。中村さんは「染めた色が濃かったり、しわが出たりした。企業との試行錯誤をしてきた」と話す。

 最後の縫製は中村さんと久保さんで仕上げる。2人ともミシンを使う作業は初めてだったが、大きさや使い方などのオーダーメードに応えるためにも手作りにこだわっている。

 販売は、県内の観光施設の他に、京都市内の手作り市や、大丸心斎橋店(大阪市中央区)で開かれる物産イベントなどで行っている。年に20回ほど出店し、「軽くて肌触りが良い」「色合いがきれい」など顧客からの反響がある。販売すると売れ切れになり、生産が追いつかなくなる時もあるという。

 中村さんは「県外の人は商品を珍しそうに手にとってくれる。これからも滋賀の人たちを巻き込んだ新しい商品を提案していきたい」と話す。

【2017年02月26日掲載】