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野洲・大篠原に新特産品

復活米の餅、地域の「宝」
野洲市大篠原の在来品種「篠原糯」を使った大福「篠原もち」(同市大篠原)
野洲市大篠原の在来品種「篠原糯」を使った大福「篠原もち」(同市大篠原)
鏡餅発祥の地とされ、「餅の宮」と称される篠原神社(野洲市大篠原)
鏡餅発祥の地とされ、「餅の宮」と称される篠原神社(野洲市大篠原)

 野洲市大篠原の自治会や農業生産法人などが協力し、地元のもち米「篠原糯(もち)」を使った大福を完成させた。篠原糯は昭和初期に生産が途絶え、約15年前に復活したが、商品開発は初めて。19日の大篠原自治会館竣工(しゅんこう)式で披露する。近くには「餅の宮」と称される篠原神社(重要文化財)があり、関係者は「餅の聖地」化を目指している。

 篠原糯は同市大篠原の在来品種で、粘りの良さが特長。2001年に地元農家や研究者が復活させた。現在は農家4軒が生産し、個人の顧客に提供するほか、あられにして収穫祭などで販売している。毎年、篠原小の児童が農業体験で篠原糯を育てている。

 昨年1月、自治会館の新設を記念して「地域の宝である篠原糯を広く知ってもらおう」と、大篠原自治会や、果物を手掛ける地元の農業生産法人「南農園」などでつくる「篠原もち復活プロジェクトチーム」を設立。みんなが気軽に食べられるものを、と大福づくりに乗り出した。

 篠原糯は粘りの半面、かたくなりやすい。「南農園」で商品開発に携わった南桂子さん(37)は「大福を作った翌日には餅がだめになってしまった」と振り返る。砂糖の分量を変えたり、液体化して混ぜ合わせたりしてやわらかさを維持。もち米は粉末にせず、そのままの状態で蒸し、風味を残す工夫もした。

 大福は「篠原もち」と名付けられた。あんは北海道産の小豆で、白大福や、よもぎを混ぜた大福、中にブルーベリーを加えたものと3種類が完成した。

 南農園に加工技術を指導し、大福作りをサポートした県大津・南部農業農村振興事務所農産普及課は「自治会を含め、地域ぐるみで資源を生かし、新商品を開発するのは珍しい」と評する。

 同チームは近くにある国宝の大笹原神社の境内社、篠原神社の周知も目指す。鏡餅の発祥の地といわれ、大笹原神社の拝殿前に篠原糯や神社を紹介したチラシを置く予定。南さんは「多賀大社に行ったら糸切り餅を食べるように、篠原神社を詣でて大福を食べてもらうという感じで定着させたい」と話す。

 予約販売で3個入り1セット350円。19年度中に完成予定の野洲クリーンセンターの余熱利用施設で常時販売する予定だ。問い合わせは南農園TEL077(587)1305。

【2017年03月19日掲載】