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(15)京都市営地下鉄烏丸線 三栖延伸部

「新設すべき」のまま40年
油小路通と京阪本線の合流地点。「三栖」駅がこの付近にできる日は来るのだろうか(京都市伏見区横大路下三栖)
油小路通と京阪本線の合流地点。「三栖」駅がこの付近にできる日は来るのだろうか(京都市伏見区横大路下三栖)

 京都市営地下鉄烏丸線には未完の路線がある。竹田以南の三栖までの区間は、1970年代に国の審議会で「新設すべき」とされながらも建設されなかった。現在も手つかずのままの三栖延伸部を、駅位置やルートを想像しながら歩いた。

「城南宮」や「大手筋」の駅名が書かれた国の審議会の資料(京都市高速鉄道烏丸線建設小史続より)
「城南宮」や「大手筋」の駅名が書かれた国の審議会の資料(京都市高速鉄道烏丸線建設小史続より)

 三栖延伸部は、京都市営地下鉄烏丸線を竹田から南へ、三栖まで延長した約4キロ。70年に旧運輸省の都市交通審議会が出した資料によると竹田以南には「城南宮」「大手筋」「三栖」の3駅が想定されている。

 出発地点は現在の烏丸線竹田駅だ。南改札口付近には3、4階建てのマンションが並ぶ。京都駅をはじめ伏見、奈良方面にもアクセスが良く人気があるらしい。

城南宮道の踏切から見た近鉄京都線の線路。中央部分の余地が、地下鉄の南進に備えているかのように見える(京都市伏見区竹田)
城南宮道の踏切から見た近鉄京都線の線路。中央部分の余地が、地下鉄の南進に備えているかのように見える(京都市伏見区竹田)
 油小路通を数分歩くと見本市会場「京都パルスプラザ」が見えてきた。隣には電子部品大手「京セラ」の本社ビルがある。その南側、東西に延びる津知橋通は人口増加地域の久我にも通じている。「城南宮駅」は、土日の行楽客ばかりでなく、平日朝晩の通勤客も利用したかもしれない。

 高架道路の下を南に向かって歩く。油小路通沿いには大型の駐車場を備えたレストランやパチンコ店が立ち並ぶ。
 パルスプラザ前から15分ほどで、大手筋通と交わる。この辺りが「大手筋駅」の予定地だろうか。少し西には伏見署がある。

 戦後、自動車の保有台数が増加し、60年代以降、渋滞などの交通事情改善が急務となった。70年から旧運輸省都市交通審議会大阪圏部会が開かれ、京都市での地下鉄建設が議論された。71年の答申で、「北山大橋-烏丸通-竹田-三栖」を新設すべき路線に、そのうち「北山大橋-烏丸通-竹田」を「緊急に実施すべき区間」と位置づけた。その後、90年までに烏丸線の北山-竹田間が開通したが、現在も竹田以南は着手の見通しがない。市交通局技術管理課は「地下鉄事業には多くの借金があり、建設は現実的に考えて、難しい」とする。

 油小路通を進み、下三栖の交差点まで来ると、京阪本線の線路が見えてきた。旧運輸省の審議会の後継となる国土交通省近畿地方交通審議会は、2004年に答申を出し、竹田以南の延伸の必要性に言及している。さらには「京阪本線との相互直通運転を検討する必要がある」とまで踏み込んでいる。果たして、この文言はいつ現実のものとなるのだろうか。
油小路通から見た京都パルスプラザと京セラ本社。この付近に「城南宮駅」ができるのかもしれない(京都市伏見区竹田)
油小路通から見た京都パルスプラザと京セラ本社。この付近に「城南宮駅」ができるのかもしれない(京都市伏見区竹田)

京都市営地下鉄烏丸線三栖延伸部

京都市営地下鉄烏丸線三栖延伸部

 竹田から三栖間の約4キロ。ルート上の城南宮通や油小路通を歩くことができるほか、バスも多く走る。2004年の近畿地方交通審議会の答申によると、竹田-三栖間は「中長期的に望まれる鉄道」に挙げられている。

【2017年03月03日掲載】