京都新聞TOP > 特集アーカイブ
過去の特集記事

[50系統]京都駅−立命館大学前

梅が誘う天神ルート
陽気に恵まれ、つぼみが開いた梅の花。紅白の梅が乗客を出迎える(京都市上京区・北野天満宮)
 雑居ビルに挟まれた片側一車線の狭い道路を徐行して進む。「曲がりまーす」。駐車車両を避けてバスが揺れるたびに運転手のアナウンスが流れ、乗客はつり革を持つ手に力を入れる。
 西洞院通と中立売通を経由する唯一の路線で、市街地の細い通りを抜ける。この路線は京都駅と北野天満宮を最短距離で結んだ市電北野線の代替バスとして誕生した。
 京都駅から乗車した。ほぼ満席で数人が立っている。若者に交じり、観光ガイドを持った初老の男性の姿も見られる。停車、発進を繰り返し、ゆっくりと北へ向かう。
 約三十分後、市電の終点だった北野天満宮前で下車する。毎年、梅苑を訪れるという名古屋市の女性三人と一緒に歩く。紅白梅のトンネルを抜けながら、古川英子さん(七〇)は「普段バスには乗らないの。満員で揺れも激しいこのバスに乗ると『梅を見るまでの我慢』って思うのよ」と笑った。
 再び乗車し、十分足らずで立命館大に到着した。バスを待つ若者の姿。かつての参拝路線は、学生の貴重な足にもなっている。

   【メモ】 主な経路は京都駅〜四条西洞院〜四条堀川〜堀川中立売〜千本中立売〜千本今出川〜北野天満宮前〜立命館大前。営業距離8.9キロ、所要時間40分、平日運行回数77回。1日の乗客数は約6500人(2002年度市交通局調べ)
 七十三の路線が複雑に交差しながら、観光客や地元住民を運ぶ京都市バス。車窓の風景や車内の様子を眺めながら、バス沿線を歩いた。