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カジやんの撮り鉄日記
京都新聞の撮り鉄カメラマン"カジやん"が、1978(昭和53)年から現在に至るまで、京都を中心に日本全国で撮影した鉄道写真を紹介します。

(40)EF66形35号機

高速貨物列車、けん引半世紀
館内で展示しているEF66形35号機。車両をかさ上げしており、下からも見ることができる
館内で展示しているEF66形35号機。車両をかさ上げしており、下からも見ることができる
 50年以上も前に設計された電気機関車が、今も貨物列車をけん引していることをご存知だろうか。当館で保存・展示している車両の中には、いくつか現役で走行している車両もあり、EF66形電気機関車もその一つだ。

 EF66は、1965(昭和40)年度から実施された国鉄の第3次長期計画によって設計が開始された電気機関車である。68(同43)年から75(同50)年までと、89(平成元)年から91(同3)年までの二つの期間で計89両が生産された。

 鉄道で使われている電気には直流と交流がある。EF66は直流電化されている東海道本線・山陽本線において、貨物列車を高速でけん引することができるよう設計され、1千トンの列車を時速100キロでけん引できる性能を有していた。

 EF66が製造される2年前の66(同41)年に行われたダイヤ改正では、最高時速100キロの貨物列車が設定され、EF65電気機関車を2両連結して対応していた。しかし、架線での電力負荷が大きくなるため、1両でけん引できる電気機関車が求められた。

 このためEF66は、従来の電動機(モーター)よりも高出力となるよう、磁極数を4極から6極にして回転数を高めるなどし、従来の約1・5倍の出力を得ることができた。
EF66形の運転台
EF66形の運転台
 66(同41)年、試作機のEF90形が完成し、2年ほどの試験運転を経て、68(同43)年より量産が開始された。同年10月に「ヨン・サン・トオ(4・3・10)」と呼ばれる大規模なダイヤ改正が行われると、世界最大の出力を持つ電気機関車(当時)として登場し、高速貨物列車のけん引機として活躍した。

 その後、85(同60)年には、東京-九州間の寝台特急列車がそれまでより重い15両編成・540トンで運行されることになり、大きなけん引力の機関車が必要となった。このため、EF66が寝台特急列車もけん引し、2009(平成21)年に東京発着の寝台特急が廃止されるまで続いた。

 当館で展示しているEF66形35号機は、87(昭和62)年に国鉄からJR貨物に移管された機関車。車両を下からのぞける「かさ上げ」展示を行い、階段を下りると、大出力の電動機などを含む車両下部が見られる。また、運転台部分も展示しており、運転席や操作機器類を見学できる。ぜひ、合わせてご覧いただきたい。(京都鉄道博物館学芸員 藤本雅之)

【2017年02月21日掲載】