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落ち葉対策  街路樹の名前覚えよう

 秋深まり、京都市内の紅葉も見ごろを迎えた。街路樹の色づきも見事で日差しを吸い込んだイチョウが金色に輝き、紅色に染まるモミジがまばゆい。四季の中で最もぜいたくな季節であるが、やっかいなのが落ち葉の処理である。
 京都市内の歩道450キロ、中央分離帯75キロに高木約4万9千本、低木約90万株の街路樹が植わる。春夏は街路を緑に包み、秋は紅葉で彩るが、もうすぐ北風が吹いて大量の落ち葉が出る。街路樹を管理する市が処理をしているが、常に掃除はできない。毎年千件を超す苦情が寄せられている。
 対策として市は、落葉前に枝を切り落としてきたが、これだと紅葉が楽しめない。観光客などに不評だったため、2011年度からイチョウ、トウカエデの2万本を対象に、全国初の「2段階剪定(せんてい)」の本格実施に踏み切った。
 枝をすべて切り落とすのではなく半分剪定し、葉を残す試みだ。市内をエリア分けして隔年で1万本ずつ剪定し、殺風景な景色は改善されつつあるが、やはり落ち葉が頭の痛い問題となっている。
 そこで、住民が近くの街路樹を管理する里親制度も見直した。登録した団体にほうきやごみ袋などを提供し、希望者にはリサイクル堆肥を提供する制度で、15本以上の管理を求めてきたが、これを10年度から2人以上、1本からでも世話ができるようにした。
 今では68団体約1300人に増え、約4600本が住民の手で管理されている。それでも全体の10%程度にすぎない。
 市が夜間道路清掃で処理しているものの、多くは未処理のまま側溝などにたまる現状を考えると、登録団体を増やしていく必要がある。「夫婦でいかがですか」との呼び掛けも始めており、子育てする感覚で街路樹を世話してもらおうという狙いだ。
 とはいえ「言うは易く、行うは難し」である。日々、落ち葉掃除をするとなると大変だ。地道に理解を求めていくしかないが、街路樹の役割を十分に知らない人も多く、木々を見てすぐに名前を言える人も少ないだろう。
 四季の潤いだけでなく、大気の浄化や温度・湿度の調整など、暮らしに役立っていることを広く周知することが大切であり、名前を覚える取り組みも必要だ。
 市によると、ボランティアで市内の街路樹に樹名と特徴を書いた名板をつける人もいるそうだ。ケヤキ、ユリノキ、サルスベリ…。名前を知れば関心も高くなる。こうした取り組みが広がれば多くの人が街路樹に目を向け、落ち葉処理も進むに違いない。

[京都新聞 2013年12月01日掲載]

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