2017年も残すところあと1週間余り、今年もいろんなことがありました。北朝鮮問題や依然として続くテロ、天皇陛下の退位を巡る動きや衆議院選挙など内外でも多くの印象的な出来事が思い出されますが、京都や滋賀の「この1年」はどうだったのでしょうか。歳末恒例の京都新聞社が選んだ「十大ニュース」で振り返ります。(文中の年齢は記載日当時)

京都10大ニュース
  1. (1)桐生 100メートル日本初9秒台
  2. (2)青酸連続殺害 筧被告に死刑判決
  3. (3)北陸新幹線、南ルートに
  4. (4)衆院選、低投票率の中 自民が4勝
  5. (5)京大、iPSで世界初創薬・治験
  6. (6)京都府立医大で虚偽診断疑惑
  7. (7)文化庁移転へ「創生本部」始動
  8. (8)京都府南北140キロ つながる
  9. (9)山田府知事 5選不出馬
  10. (10)京都市会、宿泊税条例可決
滋賀10大ニュース
  1. (1)桐生 100メートル日本初9秒台
  2. (2)湖東病院事件 元看護助手の再審決定
  3. (3)衆院選、自民が全勝
  4. (4)朝鮮通信使「世界の記憶」 長浜でも喜び
  5. (5)「高浜」再稼働 大津地裁判断覆す
  6. (6)琵琶湖周航の歌 誕生100年
  7. (7)野洲市民病院、住民投票不成立
  8. (8)相次ぐ台風で被害
  9. (9)高島市役所本庁舎は新旭に
  10. (10)ヒウオ、記録的な不漁
  11. 10大ニュースを見る
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  4. (4)無痛分娩で脳障害3件目発覚 京都の産婦人科、3歳で死亡
  5. (5)式辞に歌詞引用、著作権料を 京大HP掲載でJASRAC
  6. (6)大型野犬出没、民家裏でシカ襲う 京都・宇治
  7. (7)桑原武夫氏の蔵書1万冊廃棄 京都の図書館、市職員処分
  8. (8)珍景、シモバシラに霜柱 京都府立植物園
  9. (9)京都市バス「前乗り後降り」で車内混雑解消へ 新年度から対策
  10. (10)京都府初、大型アウトレット 三菱地所、23年度開業へ

滋賀10大ニュース

1位桐生 100メートル日本初9秒台

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日本人初の9秒台となる9秒98を示すタイマーの前で喜ぶ桐生選手(9月9日、福井市・福井県営陸上競技場)

  彦根市で生まれ、京都の洛南高で飛躍したスプリンター桐生祥秀選手(22)=東洋大=が陸上男子100メートルで日本人初の9秒台をマーク、日本スポーツ界に新たな金字塔を打ち立てた。

 9月9日、福井市で行われた日本学生対校選手権100メートル決勝。ライバルの多田修平選手(関西学院大)に先行を許したが、得意の中盤で一気に加速。逆転した後も高速ピッチで走り切った。「9秒98、追い風1・8メートル」で記録が確定すると、大歓声を浴びながら飛び跳ねて快挙を喜んだ。

 万全の状態ではなかったものの、大学最後となったレースで奮起した。今年8月の世界選手権400メートルリレーで銅メダルを獲得したが、個人種目の100メートルは出場できず「悔しさ半分のシーズンだった」と振り返る。「9秒台は世界で戦うための通過点。もっと強くなりたい」と語り、さらなる進化を目指している。

2位湖東病院事件 元看護助手の再審決定

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再審開始が認められ、喜ぶ西山さん(中央)=12月20日午後2時6分、大阪市・大阪高裁前

 東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者=当時(72)=の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪に問われ、服役した元看護助手の西山美香さん(37)が裁判のやり直しを求めていた再審請求で、大阪高裁は12月20日、再審を認める決定をした。

 事件は自白以外の証拠が乏しく、再審請求審では患者の死因と自白の信用性が争点となった。決定は、弁護団が提出した証拠から「患者は致死性不整脈で自然死した疑いがある」と指摘。捜査段階の自白もめまぐるしく変わっていて、取り調べた警察官や検察官の誘導に迎合した可能性があるとした。その上で、西山さんが犯人だとするには「合理的疑いが残る」と結論づけた。

 決定を受けた西山さんは「支えてくれる人のおかげで頑張れた。無罪判決に向けて闘い続けたい」と話した。

3位衆院選、自民が全勝

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滋賀1区で3選を決めた大岡敏孝さん(10月23日、大津市)

 10月22日に投開票が行われた衆院選は、自民党が滋賀県内の4小選挙区で前回、前々回に続き全勝した。参院の2議席を含め、自民が県内の国政選挙区6議席を独占し「保守王国」が復活した。

 滋賀1区では解散の7日前、衆院副議長で民進党の重鎮、川端達夫氏が引退を表明。後継として前知事の嘉田由紀子氏が無所属で立候補したが、接戦の末に敗れ、大岡敏孝氏が3選を果たした。

 民進党から3人が移った希望の党は3選挙区で敗北し、民主党時代を含め、初めて国会議員がゼロに。第三極を掲げた共産、社民両党などの勢力は議席を奪えなかった。投票率は56・32%で、戦後最低だった前回を2・53ポイント上回った。

4位朝鮮通信使「世界の記憶」 長浜でも喜び

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芳洲像を囲んで万歳し、「世界の記憶」への登録を喜ぶ関係者(10月31日、長浜市高月町雨森・雨森芳洲庵)

 江戸時代、朝鮮国王が将軍家に派遣した使節団「朝鮮通信使」の資料「朝鮮通信使に関する記録」が10月31日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録された。通信使の幕府側随行員を務めた儒学者雨森芳洲(あめのもりほうしゅう)(1668~1755年)の出身地とされる長浜市高月町雨森では同日、関係者らが芳洲像を囲んで万歳し、登録を喜び合った。

 登録された333点のうち、同市内にある関連資料は36点で、芳洲が外交の基本理念を説いた代表的著作「交隣提醒(こうりんていせい)」も含まれている。住民らは登録推進の実行委を組織してアピールしてきた。

地元では児童らが芳洲の生涯を題材にしたミュージカルを上演するなど顕彰活動が盛んで、実行委は「芳洲先生の教えを次世代に伝えていきたい」と意欲を見せる。

5位「高浜」再稼働 大津地裁判断覆す

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高浜原発3、4号機の運転を容認する大阪高裁の決定に反発する弁護士ら(3月28日、大阪市北区・大阪高裁前)

 滋賀県の住民29人の申し立てで関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定について、関電の抗告を審理してきた大阪高裁(山下郁夫裁判長)は3月28日、地裁決定を取り消し、関電が求める2基の再稼働を認める決定を出した。

 稼働中の原発を止めた初の司法判断を上級審が覆した。山下裁判長は、想定すべき地震や津波の規模、安全対策について、関電側は原子力規制委員会の新規制基準に適合していることを説明したとして、2基の安全性に問題はないと判断した。

 この決定を受け関電は両原発を再稼働させ、6月に4号機が、7月には3号機が営業運転に移行した。

6位琵琶湖周航の歌 誕生100年

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100周年の記念式典で「琵琶湖周航の歌」を歌う出演者たち(6月24日、高島市今津町中沼・市民会館)

 滋賀県で歌い継がれている「琵琶湖周航の歌」が誕生から100年を迎えた。県内各地で記念イベントが開かれ、湖国を代表する愛唱歌の節目を祝った。

 歌は1917(大正6)年6月、旧制第三高水上部(現京都大ボート部)が高島市今津町の宿で歌ったのが始まりと伝わる。イベントは6月を中心に催され、高島市では記念式典を開催。大津市では「びわ湖音楽祭」が初めて開かれ、アーティストや市民が歌声を合わせた。誕生時の航路を京大OBらがボートでたどる「なぞり周航」や、合唱コンコールも行われた。

 「びわ湖音楽祭」実行委員会は12月、歌に登場する地域を会場に、音楽祭を滋賀国体が開かれる2024年まで続けると発表した。

7位野洲市民病院、住民投票不成立

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市民病院整備が計画されているJR野洲駅南口。計画の賛否を聞いた住民投票は不成立となった(野洲市小篠原)

 野洲市がJR野洲駅南口に整備を目指す市民病院計画の是非を問う住民投票が11月26日に実施されたが、投票率が48・52%と50%に届かず不成立となり、開票されなかった。

 市民病院計画は、民間の野洲病院の経営継続が困難になったことを受けて、市が検討を始めた。立地や財政面を巡って市議会内で反対の声が高まり、2015年5月から関連予算案が6度否決されるなど異例の対立が続いていた。

 住民投票は野洲市初となり、市民の声で問題の決着を図る期待もあったが、関心は高まらなかった。費用は1600万円かかった。長引く問題に市民が嫌気をさしたとみられることや、市と市議会の情報提供不足を指摘する声もあった。

8位相次ぐ台風で被害

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姉川からの濁流が襲う住宅地(8月8日、長浜市大井町)

 8月8日、台風5号による雨の影響で増水した長浜市の姉川が氾濫。濁流が同市大井町の住宅地に入り込み、住民が避難した。

 姉川では通行のため堤防を切り落とした「切り通し」(幅約6メートル、深さ約3・5メートル)から水があふれた。閉鎖の判断は地元自治会に任せられていたが、当時は水位上昇が早く間に合わなかったという。姉川では氾濫前の1時間に88センチの水位上昇が観測されていた。

 10月22日には超大型の台風21号が接近、JR湖西線の電柱が折れ運休となり、彦根城の壁がはがれ落ちるなどの被害が出た。

9位高島市役所本庁舎は新旭に

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高島市役所本庁舎の位置を新旭町に変更する条例改正案を可決した市議会(6月28日)

 高島市議会は6月28日に開いた本会議で、市役所本庁舎を同市今津町から同市新旭町に変更する条例改正案を可決した。2005年1月の6町村合併時の協定を転換し、暫定庁舎に位置付けられていた新旭庁舎が正式に市役所となった。

 福井正明市長は財政難から棚上げされていた今津での新庁舎建設の凍結を打ち出し、3度にわたり条例改正案を提案した。市議会はいずれも否決していたが、1月の市長選で福井市長が再選されたことが転機となった。長年激しい住民対立を招いてきた問題に、ようやく終止符が打たれた。

10位ヒウオ、記録的な不漁

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極端な不漁となったヒウオ(2016年12月3日、大津市・和邇漁港

 アユの稚魚ヒウオが記録的な不漁となり、県は2月7日、琵琶湖で県水産試験場が行った調査で確認できた魚群が、平年の1割にとどまっていることを明らかにした。

 平年値では、1月には380群が確認されるが、今年の同月は37群。不漁のため食用や釣り用への供給も減った。

 その後、県は不漁の原因について、前年秋の産卵時期が10月上旬に集中したため、稚魚が餌不足で生育不良になったことなどを挙げた。今年秋の親魚の産卵も、平年の2%にとどまっている。