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京都サンガの応援態勢 西京極一体感へ仕掛けを

運動部 大竹逸朗
岡山戦に勝利し、肩を組んで喜ぶサンガサポーター。この一体感を全体に広げたい(10月30日、京都市右京区・西京極陸上競技場)
岡山戦に勝利し、肩を組んで喜ぶサンガサポーター。この一体感を全体に広げたい(10月30日、京都市右京区・西京極陸上競技場)

 サッカーJリーグ2部(J2)の京都サンガFCのホームゲームの応援に物足りなさを感じる。今季は西京極陸上競技場(京都市右京区)に大型映像装置が設置され、ゴール裏のサポーターも迫力を増したが、それらの魅力を生かし切れていないように映る。クラブとサポーターが足並みをそろえ、観戦初心者も楽しめる仕掛けを増やし、一体感を高められないだろうか。

 10月30日の第38節岡山戦。2−0で快勝後、ゴール裏サポーターが肩を組み、歌いながら跳ねた。今季のチームスローガン「一丸」を体現しようと企画し、あいさつに来た選手も一緒になって喜び合った。選手入場時に、熱心なサポーターがメインスタンドへ移動し、タオルマフラーを頭上に掲げるよう呼びかける。応援の輪は広がりつつある。

 西京極には今季から発光ダイオード(LED)の大型ビジョンが設置された。クラブは開幕戦で小型無人機ドローンを飛ばして上空からスタンドを映したり、先発メンバー紹介に合わせて得点シーンを映像で流したりするなど演出に工夫を凝らす。スタジアムをチームカラーの紫色に染めようと、先着150人に型落ちのユニホームを無料で貸し出すサービスも始めた。

 しかし、選手入場の際にサポーターが歌う「アンセム」と、クラブが場内に流す別の入場曲のタイミングが重なるなど、かみ合わない部分もしばしばだ。試合の協賛企業が不定期で紫色のフラッグやスティックバルーンを無料配布する日もあるが、その日限りの感は否めない。

 リーグ屈指の応援で知られるJ2松本山雅のサポーターは全員が緑色のユニホームやタオルマフラーを着用する。試合前にはDJのあおりと映像に合わせて拍手や掛け声が飛び、その連動性に圧倒された。プロバスケットボールBリーグの京都ハンナリーズは、天井つり下げ式の4面LEDビジョンに観客を映してダンス対決などを実施し、「参加型の演出」(広報担当者)を心がける。サンガより後発のチームであっても見習うべき点はあるはずだ。

 8年前からサンガの観戦者調査をするびわこ成蹊スポーツ大の吉田政幸准教授(スポーツマネジメント)は、阪神タイガースのファンを例に挙げ、スタジアムで交流し、一体になって応援できる絆が観戦動機になっていると指摘。「サンガはそれがシーズンパスを購入するヘビー層に顕著に見られる。現地での観戦が定着していない中間層にまで広げるには、テレビ中継では伝わらない魅力を、スタジアムの応援を通じて発信していく努力が必要」と提言する。

 サンガが待ち望む球技専用スタジアムの建設がJR亀岡駅前で計画されている。「器」が良くなっても、このままでは本当に盛り上がるのか疑問符が付く。今から、クラブとサポーターが活発に意見を交わし、応援態勢を見つめ直してほしい。

[京都新聞 2016年11月9日掲載]

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