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新名神城陽―八幡間、来春開通 好立地、企業進出進む

南部支社 高橋晴久
京都市南部の高速道路網
京都市南部の高速道路網

 京都府南部を東西に貫く新名神高速道路は、来年3月に城陽−八幡間の開通を控える。距離は3・5キロと短いが、京奈和自動車道と第二京阪道路が結ばれる効果は大きく、周辺では物流企業の進出が進む。さらに2023年度の大津−城陽間開通を見据えた大規模な土地利用の計画も動きだしており、高速道路網が府南部の開発を刺激している。

 城陽ジャンクション(JCT)の北側で城陽市が手掛ける久世荒内・寺田塚本地区の新市街地整備事業。企業を誘致する12区画のうち10区画は既に決定し、残る2区画も交渉中か選定中で全て埋まる見通しだ。

 「新名神のジャンクションに近いことで注目された」(同市新市街地整備課)といい、募集以前には問い合わせが約150件寄せられた。立地の良さを裏付けるのが日本郵便の進出だ。事業地内で城陽JCTに最も近い位置を確保し、府と滋賀県の郵便物やゆうパックなどの仕分け作業を行う物流拠点を建設する。

 また八幡JCTに近い京田辺市松井には、物流不動産会社プロロジス(東京都)が進出を決定。18年夏には地上6階建て、延べ床面積15万6千平方メートルという巨大な施設が稼働する。新名神の全線開通後には中国地方から中部地方までをカバーする広域拠点としての利用も見込まれている。

 日本郵便は近くにできる子会社と合わせて千人以上、プロロジスは約500人の雇用が見込まれ、地域経済にとって期待は大きい。

 新名神の宇治田原−城陽間には、自動料金収受システム(ETC)専用のスマートインターチェンジ(IC)設置も検討されている。城陽市はスマートICを生かして山砂利採取跡地を含む市東部丘陵地約420ヘクタールの開発を目指している。

 既に利用別のゾーン分けが示されており、大型商業施設の誘致を目指す「商業ゾーン」や関西文化学術研究都市と連携する「研究・業務ゾーン」など広範囲に効果が及ぶプロジェクトとして関心を集める。

 新名神を巡っては関連する道路整備も盛んだ。府はJCTやICに直接つながるアクセス道路だけでなく、宇治田原ICに向かう和束町の府道宇治木屋線・犬打峠の改良に向けても調査を始めた。

 一方、木津川市から城陽市のスマートIC検討地を通る「宇治木津線」(仮称)については、調査を続ける国土交通省京都国道事務所が「なるべく早く概略ルートを示したい」とするものの、まだめどは立っていない状況だ。

 仮に北陸新幹線の京都−大阪間が南回りとなり関西文化学術研究都市に新駅が設けられた場合、東京と大阪を1時間で結ぶリニア中央新幹線との接続駅となる可能性がないわけでもない。府南部の交通網の変貌が地域にもたらす影響に一層注視していきたい。

[京都新聞 2016年11月23日掲載]

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