The Kyoto Shimbun
取材ノートロゴ

分裂後の民進系3党 政権ただす国会連携探れ

東京支社 鈴木雅人
希望の党の会合で、民進系3党の連携のまずさを指摘した玉木雄一郎代表(8日、国会内)
希望の党の会合で、民進系3党の連携のまずさを指摘した玉木雄一郎代表(8日、国会内)

 前原誠司民進党前代表(衆院京都2区)が衆院選で主導した希望の党への合流が失敗し、民進と希望、立憲民主党の3党に分裂して臨んだ特別国会が今月上旬に閉会した。国民の関心が高い森友学園問題などで政権を追及する好機だったにもかかわらず、互いに独自色を強めた結果、民進系3党の連携のちぐはぐさだけが目立った。

 11月下旬の予算委員会で、野党の質問は迫力に欠けた。森友学園への土地売却をめぐり、政府側は自民議員の質問に対し、値引きに関わるごみの範囲を財務省と学園が協議したことをうかがわせる音声データの存在を認めた。従来の答弁を翻す事実で、野党は質問を畳み掛けるべきところだ。ところが、「対案路線」を掲げる希望は予定を変えず安全保障関連で質問を行い、党のアピールを優先した。

 独自路線に固執したのは立憲民主も同様で、民進が呼び掛けた森友問題などの合同調査への参加を拒否した。

 民進分裂前は、現地を訪れた上でごみ埋設量を試算し、値引き額の妥当性をただすという、綿密な調査に基づく質問があった。衆院選を経て、民進系は改選前の87議席から立憲民主と希望、無所属で計約120議席に増えたが、追及力はむしろ弱まった。

 「野党がバラバラでは巨大与党に対抗できない」。特別国会後、希望の玉木雄一郎代表は反省の弁を述べた。泉健太国対委員長(衆院京都3区)は「民進系3党の協議をもっとやるべきだった」と指摘した。希望は来年の通常国会へ向け、統一会派結成も視野に3党連携を深める方向にかじを切った。連合も「与党に漁夫の利を与えてはならない」(神津里季生会長)と歩み寄りを促している。

 ただ、道のりは険しい。野党第1党の立憲民主は否定的だ。福山哲郎幹事長(参院京都選挙区)は「永田町の数合わせにはくみしない」と明言している。今月上旬に共同通信が行った全国世論調査の政党支持率は12・5%で、希望3・2%、民進1・8%を引き離している。両党から個別に引き抜き、党勢拡大を図る戦略だ。安易に連携の呼び掛けに乗れば「権力ゲームだと国民に見放され、党の存在意義を失う」(党幹部)との不安もある。

 希望は党内の路線対立が支障となりそうだ。特別国会では実際に、立憲民主から「共謀罪」廃止法案の共同提出を呼び掛けられたが、党内で賛否が割れ、参加を見送った。民進は立憲民主への離党が相次ぐと懸念され、党内で解党が議題に上るほどの迷走ぶりで、連携を主導できなかった。

 民進前代表の前原氏は9月の党代表選で、「自民のような懐の深さ、お互いを尊重し合う、認め合う風潮に欠ける」と指摘した。民主党政権の失敗は、消費税増税をめぐる集団離党など党内対立が遠因だった。分裂後も舞台を変え、「内輪の争い」を続けていると映る。通常国会では国会運営で3党が協力する道筋を探り、政権運営をただす野党の責任を果たすべきだ。

[京都新聞 2017年12月20日掲載]

▼前の記事取材ノートからTOP次の記事▲

各ページの記事・写真は転用を禁じます
著作権は京都新聞社に帰属します
ネットワーク上の著作権について―新聞・通信社が発信する情報をご利用の皆様に(日本新聞協会)
電子メディアおよび関連事業における個人情報の取り扱いについて
京都新聞
京都新聞TOP