出版案内
福祉事業団

青酸連続事件最終弁論の要旨

 京都地裁で11日にあった青酸連続事件の第37回公判で、弁護側の最終弁論の要旨は次の通り。

 《死因と犯行機会》

 勇夫さんと本田さん事件では、青酸化合物の検出方法に問題があり、間違いなく青酸中毒死とは判断できない。末広さんと日置さん事件では、青酸が検出された証拠がなく、青酸中毒と断定できない。いずれも病死や事故、自殺の可能性を否定できない。被告だけに犯行機会があったとはいえない。

 《青酸所持について》

 青酸は特殊な工業用品で、被告には入手が困難。「もらった」という供述は曖昧で、入手方法の裏付けもない。保管していた小さな瓶は見つかっていない。プランターから小袋が見つかったが、いつ、誰が、どのように入れたのか分かっておらず、被告のものとはいえない。プランターは誰でも容易に近づける状態で保管されていた。小袋と勇夫さんの体内から見つかった青酸が同一とはいえない。毒入りカプセルの作成方法は誰でも思い付く簡単な作業で、再現できたことには意味がない。被告が青酸を入手、保管したことは全く証明されておらず、身近に青酸化合物が存在していたとはいえない。

 《動機》

 検察側は遺産や借金返済が目的と主張するが、負債が本当にあったのか疑問だ。いつ、どこに、いくらの負債があったのか具体的に推測できない。遺言公正証書は、内縁関係になければ作成できず、被害者の行動であって被告の行動ではない。死亡後、葬儀費や生活費のために急いで開錠し、遺産取得手続きをすることは普通の行動だ。一時的に返済を免れようとした意思も認められない。

 《殺意》

 毒と認識していた物質が人を死に至らしめるほどの毒なのか、どの程度で致死量になるかを被告は認識しておらず、殺意を認めることはできない。

 《供述》

 公判での供述は曖昧で二転三転しており、信用できない。毒を飲ませる前後の状況や保管状況もはっきりせず、同じ内容の質問でも質問者が代わると答えが変わる。頭に浮かんだことを正しい記憶であるかのように話しているだけで、逮捕されているから殺したと思い込んで対応しているにすぎない。捜査段階での供述は、長期間、連日追及されたため殺したと思い込み、捜査官に迎合して虚偽の自白をしたと推測できる。

 《責任能力と訴訟能力》

 末広さん事件では責任能力は認められるが、他の3件はいずれも認知症によって善悪の判断ができず、もしくは著しく能力が劣っていたと考えられるため、完全責任能力があるとするには疑問が残る。訴訟能力については、記憶が曖昧で同じ話を繰り返し、黙秘すると発言した直後に何の抵抗もなく応答するなどし、裁判で自分を守ることの意味を理解していない。被告として重要な利害を理解し、相当な防御をする能力があるというのは机上の空論で、被告に訴訟能力はない。

 《量刑》

 本件で死刑を適用することは許されない。手続きも適正ではない。残虐な刑罰で、人道上の見地から憲法に違反していることは明らかだ。冤罪(えんざい)の危険性があり、取り返しのつかない致命的な欠陥を含んでいる。刑罰によって命を奪うことは許されない。被告は無罪だ。

 《被告の最終意見陳述》

 全て弁護士に任せてあり、私から言うことはありません。以上です。

【 2017年10月11日 23時16分 】

ニュース写真

京都新聞デジタル版のご案内

    地域の政治・社会ニュース

    全国の政治・社会ニュース

      スポーツ

      表現磨き憧れの舞台へ フィギュア白岩優奈

      20171216000065

       来年2月9日に開幕する平昌冬季五輪のフィギュアスケート女子代表選考を兼ねた全日本選手権..... [ 記事へ ]

      経済

      有機EL市場を積極開拓 NISSHAなど京都のメーカー

      20171216000081

       次世代ディスプレーの有機ELがスマートフォンなどに普及する中、写真製版や印刷をルーツと..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      真田丸、ちはやふる効果 滋賀の観光客初の5千万人超

      20171216000058

       滋賀県は15日、2016年の観光客数が延べ5076万7300人で、初めて5千万人を突破..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      3学科合同の音楽劇上演 同志社女子大で18、20日

      20171215000050

       同志社女子大学芸学部の学生40人が18、20の両日、京都府京田辺市興戸の京田辺キャンパ..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      「極めて残念」と電事連会長
      伊方原発運転差し止め決定で

      20171215000195

       電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)は15日の記者会見で、四国電力伊方原発3号機..... [ 記事へ ]

      国際

      ソウルの漢江、この冬初の結氷
      平年より29日早く

      20171216000054

       【ソウル共同】韓国気象庁は15日、ソウルの中心を流れる漢江で同日、この冬初めての結氷を..... [ 記事へ ]